タイからの提言② -海外日本語教育のあり方-

海外日本語教育のあり方 (続編)

著:廣瀬正和(日本タイ教育交流協会理事)


この話はタイでの日本語教育の大きな問題になっています

実は、今、タイの教育界(特に大学)で大きな問題になっているのが、一つの大学のコースに対する先生の数を指定していることで

例えば、日本語学科を持っている大学は、少なくともマスター課程を修了した教師が5名必要としている。2年間この数が未達の場合、コースとしては認められない。当然、学生はこのコースでは卒業できない。しかし、日本人教師でマスターの資格を持っている人は、ごく僅かであり、そのため日本人教師の中には、マスター資格を取るため、日本に帰って大学に通う人やタイの大学の日本語コースで勉強する人も有るようです。この大学でも、今、資格のある先生は、タイ人教師の2名と今現在、資格を取るべく論文提出を行っているタイ人先生1名しか居なくて、あと2名の先生を求めて、あちこち手を伸ばしている様子ですが、なかなか見つからない様で

これに関して、既に、タイのニュースでも流れたようですが、チョンブリにあるB大学では、日本語学科閉鎖のうわさが流れ、学生達が政府に抗議しているとのことです。

特に、タイでの有名大学は、それなりのスタッフを持ち、体制はしっかりしているのですが、新興大学は人材集めに苦労しているようです。とりわけ、東北部まで来るマスター資格を持った先生達は、待遇・環境を考えると少ないように聞いております。

その点、中国語科については、中国政府がマスター資格のある先生を、十分な数だけ送りこんでいる様で、学生数も増加しているようです。

 

また、歴史ある大きな大学は、マネジメントの面でも、しっかり行われているようですが、新興大学の上層部は兎も角、末端の学科の先生達はまだ若く、日本の大学との交渉事や、学科の切り盛り等のマネジメントの面では、まだまだの感があり、学部長からは出来るだけのアドバイスをしてくれとの言葉もあり、お節介好きの私などが、口を挟まざるを得ない状況です。(家内からはボランティアで来ているのだから、余計なお節介はしない方が良いと叱られていますが)   (つづく)

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