シーサケット便り -日本語教師奮闘録- vol.9

学生について(その1)

全体に地方の大学の学生は大体同じようだが、この大学の学生は怠け者が多いらしい。

これはタイ人の先生が言うのだから間違いないと思う。宿題をしっかり出さないと家や寮で勉強など殆どしない。(家や寮がそのような環境でないのかもしれないが)

ですから、宿題も学校でする、ひどいのは他の科目の授業中にしている。また、殆どがパソコンを持っており、休み時間には、それに没頭している。インターネットを通じて、日本文化の情報(特に、音楽、アニメ)についても、非常に詳しい。私の年代では知らない情報を持っており、私に聞かれても知らないことが多い。(例えば、先日、イベントで「初音ミク」の音楽を聞かされ、初めてその存在を知った)

そして、彼らは、入学して4年後に仕事を探すのだが、(4年生は実習で、企業や会社に行っており、殆ど学校に来ない・・・・私が教えに行った近くの高校に、この大学の日本語学科の4年生が実習に来ていた)地方では公務員以外殆ど仕事がないので自然と、バンコクに仕事探しに出かける。が、都会の学生とは差があるので、普通の学生は、相当苦労するようだ。親にしてみれば、貧しい中、なけなしの金をはたいて大学までやったが、無職でぶらぶらされては、堪ったものでない。

でも、彼らは学校での祭り、イベントには、目の色を変えて色々な趣向を考えてくる。

また、その芸や出し物の習得には短時間で成し遂げる驚かされる。タイ人特有のサバイ・サヌックの世界なのだろうか?

しかし、皆、素朴で、純真な彼らを見ると、自然と教えるのにも力が入り、何とかしてあげ様と思うのも日本人だからなのだろうか

相対的に、教室で前に座っているのは、成績のいい学生である

アメリカ人の英語の先生などは、職業に徹しているようで、1クラス100人を超える学生にきっちり教えるのは無理だと割り切っている。

成績の悪い学生を進級させないとなると、親が飛んで来て事務局に談判するとの話も聞かされた。お金で解決する方法もあるらしいが、貧しい彼らにはそんな貯えもないのであろう。(つづく)

(日本タイ教育交流協会理事 廣瀬正和)

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