シーサケット便り -日本語教師奮闘録- vol.7

先生の日(ワン アジャーン)

タイのどの学校でもあるようだが、1年に1回(木曜日)、先生に感謝をする日のセレモニーがある。

   前日に学部長が、スーツを着て来てくださいとの話があったが、何時にどこに集合し、どのような行事があるか全く分からない。主任のゴーン先生に聞いても要領が得ない。まあ、8時半に来れば何とかなるだろうと教員室に来てみたが、何の指示もなく、誰も来ない。9時が過ぎたのでもう一人の先生と日本人同士で寮に帰りかけると、途中で英語教師のチャールズ夫妻に出会った。彼等の話で今から大ホールでセレモニーが始まるとのことが分かり、急遽、大ホールに向かう。大ホールでは先生方が着飾って整列していた。

   正式な礼服に、卒業校を表すガウンを羽織、ドクター称号の先生はキチンとバッジを付けている。我がゴーン先生は、タマサート大学のガウンを羽織って皆から一目置かれている様子、ドクターがごろごろおり、タイが完全な学歴社会である一つの証明である気がした。

   前置きが長すぎましたが、セレモニーの内容ですが、これがまた凄くて感動の連続でした。大ホールで4,000程の学生が整列し、学歌?を歌う中、先生方が静静と並んで行進し、壇上に上がり、式が始まる(私もその列に加えてもらえました)まず最初に、お決まりのタイ音楽・タイ舞踊が奉納され、次に学生達が学生の本分・規則を誓唱した後は、学生たちが、一晩ほとんど寝ずに作ったすごい数の飾り物「パーンワイクルー」を学生達跪いたまま先生方に次々に手渡し、式は最高潮に達する。その後は、学生の表彰が行われ、ここで奨学金の授与も行われる。後、学長の言葉等があり、最後は、また、学生たちの歌声の中、先生達が退場してフィナレーを迎える。タイでは、先生への尊敬が非常に強く、先生の地位非常に高いところにあることを実感した。

いずれにせよ、日本では見られない、本当に感動したセレモニーであった。(つづく)
(日本タイ教育交流協会理事 廣瀬正和)

SNSでの広報活動に、

ご協力をお願いします。