シーサケット便り -日本語教師奮闘録- vol.6

   3年生の授業の後、皆でカレーライスを作りました。丁度、エアコンが入っている日本語教室に調理場があり、調理器具が揃っています。しかし、当然、カレールウは日本製であっても、材料はタイの物、味もかなりタイカレーに似てきます。まず、定番のじゃがいも、玉ねぎ、にんじんはOKなのですが、肉は豚肉、そこに唐辛子が刻まれ入れられ、ソーセージも、キノコも入ってくる。但し、コメは、現地産の日本米を使用。1時間ほど煮て最後にルウが入れられ、また、そこにタイ製のダシが加えられ出来上がり。結果、お味の方は、完全に日本タイ友好カレーといったところで、日本語学科の先生、3年の学生(一部の2年生も参加してましたが)とも満足げでありました。そこに、学部長も現れ、賞味して、初めて日本製のカレーを食べたと喜んでいました。食を通じて多文化共生の一端が伺えた一日でした。

 

   話は変わりますが、タイの大学にいると驚かされることが、日常茶飯事で現れます。

   今日は突然、大学の構内でお祭りが出現しました。授業に行こうと、1年生の教室(日本語学科のある建物とは別の建物・・・常時出席者が40名位と人数が多いので)に向かうと、その通路の両側に、出店が出来ており、食べ物、雑貨の店が並んでいる。

   丁度、教室の横にある広いスペースには舞台が設けられ、飾り付けがなされていた。その周りを着飾った中学生位の生徒が屯していました。

   さて、教室で今日の授業の日本語のヒアリングの準備のため、カセットデッキを用意していると突然、太鼓の音が響き、歌声も聞こえてきた。煩くて仕方がないので、ボリュームを上げざるを得なくなり、こりゃどうなっているんかと学生たちを見ると、別に普段通りの状態です。驚いているのは日本人教師だけ、これもタイなのかなと思い知らされました。

   田舎では、このようなイベントをする場所がなく、広い建物がある大学構内を借りて実施されるのだと自分で納得した次第です。そう言えば、先日の職員会議で、学部長がしきりに祭り云々の言葉を発していたことを思い出しました。

でも感心したことは、このような行事にすぐ出店が出現することです。どこでニュースをつかんでくるのでしょうね。(つづく)

(日本タイ教育交流協会理事 廣瀬正和)

 

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