「クンユアムプロジェクト」

 当協会は平成26年2月25日、タイ王国大阪総領事館ウォラモン・ワルッタマ領事立会いの下、京都洛東ライオンズクラブ様(近藤正信会長)・クンユアムウィタヤ高校(シアン・ティパロット校長)との間で三者間協定を締結致しました。

 本協定の締結により、クンユアム高校生による日本兵墓地の清掃活動、現地高校生に対する奨学金給付、同高校「日本語クラス」運営支援を柱とするプロジェクトを本年度から5箇年に渡り実施することが正式に決定致しました。日本兵墓地保全と奨学金給付、日本語教育振興を複合的に取り組むプログラムは、日本初のものであると存じます。

 タイとミャンマーの国境に位置するメーホンソーン県クンユアムは、第二次大戦中日本軍が駐屯し、現地住民と深い友情で結ばれたことから、親日国タイの中でも屈指の親日的地域と言われています。インパール作戦の失敗により撤退してきた日本兵を献身的に看護し、亡くなった日本軍兵士を埋葬したのもクンユアムの住民でした。現在も親日感情は強く、現地の高校では日本人ボランティア教師・桑原ゆき子先生による「日本語クラス」が開講され、多くの生徒が日本語を学習しています。

 クンユアムには、現地住民によって埋葬された日本軍兵士の墓がありますが、戦後70年という時間の経過、険しい山岳地帯という地理的要因等によって、日本人の手で管理・保全することが極めて厳しい状態となっていました。戦禍に散った先人の尊い犠牲の上に生きる者として、落ち葉に埋もれ、朽ち果てていく墓を放置しておくことは出来ませんでした。

 今回、日タイ親善京都府議会議員連盟のメンバーとして日本とタイの友好親善に平素から取り組んで頂いており、ご自身も日本兵慰霊のため、メーホンソーン県クンユアムを訪れられたご経験のある菅谷寛志京都府議のご尽力により、日本兵墓地の保全・現地高校生への奨学金給付、日本語教育振興を柱とした本プロジェクトを始動させることが出来ました。 
 日本兵墓地の保全を進め、そして戦禍の中で結ばれた絆を次世代へと引き継ぐことが、今を生きる我々の責務であると思います。「友好の絆、次世代へ」をモットーに、今後も本プロジェクトを軸としたクンユアムとの交流活動を促進して参ります。
 結びにあたりまして、本事業の趣旨にご賛同下さり、プロジェクト資金をご提供頂いた京都洛東ライオンズクラブの近藤会長はじめ会員の皆様に、心より厚く御礼申し上げます。

 

                  平成26年3月9日

                  NPO法人日本タイ教育交流協会

                  「日・タイ友好クンユアム青少年基金」事務局

SNSでの広報活動に、

ご協力をお願いします。